在留資格(ビザ)申請をご依頼いただくお客様から多くご要望いただくのが、「できるだけ早く在留資格(ビザ)を得たい!」というお声です。できるだけ早く日本での生活を開始したい、外国人の配偶者と一刻も早く日本で一緒に生活したい、外国人社員にすぐにでも活躍してもらいたいなど、様々なご状況があります。
そしてもう一つ気にされるのは「専門家(行政書士)に頼んだら早く結果をもらえるのか」という点です。
ご相談前に気になるこの点について、専門家である行政書士が率直な意見を回答します。
この記事はこんな人におすすめ!
- 日本での就労や生活予定がありこれから在留資格認定証明書交付申請をする外国人の方
- 外国人と海外で結婚しこれから日本に来てもらおうとしている日本人配偶者の方
- 外国人を新たに雇用予定の会社、団体の担当者
在留資格(ビザ)は行政書士に依頼したら早く取得できる?
事実:行政書士に依頼しても”入管の審査期間(標準処理期間)”は短くなりません
残念ながら、行政書士に依頼したからといって、出入国在留管理庁(入管)の”審査期間(標準処理期間)”そのものが短くなることはありません。
よくある誤解として、行政書士に依頼することで
・別の部門や部署で優先的に審査してもらえる
・審査の順番を早めてもらえる
・結果(許可されるかどうか)にかかわる特別な考慮がされる
といったイメージをお持ちの方もいらっしゃいます。
しかしながら、そのような制度や仕組みはなく、行政書士に依頼しても審査の流れと基準は変わりません。
入管は、誰が申請(書類を提出)したかにかかわらず同じ法律・同じ審査基準に基づいて審査を行うからです。
つまり、行政書士が入管の審査期間そのものを短縮することはできません。
(入管の審査期間(標準処理期間)についての詳細はこちら:在留資格申請の結果が遅い!どのくらいで結果が出るの?~入管の公式資料から読み解く傾向~ )
それでも「行政書士に依頼したら思っていたより早く在留資格(ビザ)を取得できた」という結果もよくあります。それは、行政書士に依頼することで“在留資格取得までの全体の時間”を短くできる場合が多いためです。
その理由である、「審査期間」と「取得までの期間」の違いについて解説します。
在留資格取得までの「変えられる時間」と「変えられない時間」
在留資格を取得するまでには、実はさまざまな時間が積み重なっています。
行政書士が短縮できる部分と、できない部分を整理すると次のようになります。
| 変えられる時間 | 変えられない時間 |
| 申請の種類や方針を判断する時間 | 入管内部の受付完了までの時間 |
| 必要書類を集める時間 | 申請の審査期間(標準処理期間) |
| 必要書類を作成・まとめる時間 | 審査完了から結果が出されるまでの時間 |
| 申請の提出にかかる時間 | |
| 追加資料提出にかかる時間 | |
| 審査結果の受け取りにかかる時間 |
この表の左側の列にあるものは主に「申請前の準備」と「申請後の追加対応」そして「審査後の対応」です。
一方、右側にあるのは「審査に関連するもの」です。
したがって、行政書士へ依頼することで審査期間そのものではなく、「審査まで」と「審査開始後」の時間の大部分を効率的かつスムーズに進められ、時間のロスを減らせるというイメージです。
行政書士が短縮できる時間①:判断する時間
行政書士に在留資格の申請を依頼する最も大きなメリットは、「どうすればよいか分からない」と悩んだり、迷ったりする時間を減らせることです。特に次の2つの準備や判断にかかる時間を大きく削減できます。
申請する在留資格と申請種別
在留資格を申請する外国人の方の経歴や日本での活動内容によって、選択すべき在留資格は異なります。
例えば、今の仕事であるソフトウェアエンジニアを来日後も続ける場合でも、以下のような選択肢があります。
A :日本の会社に転職 → 技術・人文知識・国際業務
A’: Aと同じ会社に転職するが、経歴や年収要件により高度人材ポイントの基準を満たす可能性あり:高度専門職
B :日本で会社を立ち上げる→ 経営・管理
C :日本人の祖父母がいる→ 定住者(日系三世)
Aの選択肢になることが多いと考えられますが、もしA’の高度専門職に申請できるのであれば様々なメリットを享受できます。しかしその判断がうまくできない場合、申請どころか書類を集めることもできません。また、申請する在留資格がもし間違っていた場合、申請をやり直さないといけなくなる可能性もあります。
また、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請のいずれに該当するかについても適切な判断が必要です。
行政書士は相談を受けた最初の段階で申請すべき在留資格と申請種別を判断するために必要な質問や確認をし、適切な方針を打ち出せます。そのため、申請する方が自身で調べたり悩んだりする時間を大きく減らすことができます。
申請に必要な資料と許可可能性を高める補強資料の組み立て
入管の公式ページを見ると、申請する在留資格と申請種別に応じた必要書類一覧を確認できます。そのページを見ると必要書類の準備はそこまで大変ではないように思えるかもしれません。
しかしながらこれらのページに記載されているのは申請に必要な「最低限」の書類です。
つまり、ページに記載されている書類を集めれば少なくとも申請を受け付けてはもらえるものの、望む結果である許可を得られるかどうかは別問題、ということです。
実際の申請では、
・許可の可能性を高めるために追加すべき資料とそのまとめ方
・提出は原本なのかコピーなのか
・理由書に記載すべきか
・記載するならばどの程度記載すべきなのか
といった案内には書かれていない、しかも調べても正確な情報が入手しにくい点がいくつも出てきます。
行政書士は過去の経験や入管からの指示の傾向も加味しながら、「ホームページには書かれていない実務上の判断」を迅速に行います。
行政書士が短縮できる時間②:書類を準備する時間
在留資格申請では多くの書類を準備しなければなりません。
その中には本人しか準備できないものもあれば、行政書士に依頼することで効率的に入手、作成、そして管理できるものがあります。行政書士が関与することで安定した準備ができるものをピックアップしてご紹介します。
戸籍謄本・住民票の取得
行政書士は、在留資格申請業務を遂行するうえで必要な場合には、職務上請求制度を利用して戸籍謄本や住民票などの公的書類を取得できることがあります。例えば日本人の子孫の方が「定住者」の在留資格を申請する場合、祖父母や父母の戸籍謄本が必要書類に含まれます。日本に親族がいる場合はこういった書類の取得はそこまで難しくありません。
しかし例えば、祖父母の代に海外へ移住しており、以降ずっと日本から遠い国で過ごしてきたような場合、親族との関係が希薄だったり、十分に日本語を扱えなかったりしてこれらの書類の取得がとても難しくなることも珍しくありません。このようなとき、行政書士が必要な範囲で資料を取得することで申請人の負担を大きく減らせます。
日本人の子孫の方(日系人)が申請できる在留資格の詳細はこちら:日本にルーツがある場合の在留資格 ~定住者”日系二世・日系三世”~
日本にいる企業や身元保証人、申請代理人とのやりとり
海外にいる外国人の方が在留資格認定証明書交付申請をして新たに日本へ来ようとする場合、日本側の所属機関である企業、日本にいる身元保証人、申請代理人などに準備してもらう資料があります。もちろん、申請人本人が日本側の関係者とやり取りをしながら必要書類を準備できれば問題ありません。しかし日本語でのやり取りが難しかったり、そもそもどういった書類が必要かについてうまく説明できなかったりしてやり取りがスムーズに進まないこともあります。そういったとき、行政書士が間に入って直接日本語でやり取りをすることで申請人と日本にいる方双方の負担を減らせます。
書類の有効期限の管理
申請書類として求められる資料のうち、公的な機関が発行する証明書などは発行から一定期間以内でなければならないといった規定があります。例えば日本で発行される住民票、戸籍謄本などは発行から3か月以内のものが求められます。申請書類の一覧を準備して収集を始めた時、入手が簡単だからという理由でこれらの書類を最初に準備してしまうと他の書類の準備に時間がかかり有効期限が切れ、再取得しないといけない、といった事態に陥ることがあります。行政書士に依頼した場合、まず申請のタイミングを検討したうえで各種書類の準備スケジュールを作成するため、こういった書類の有効期限も考慮した入手、準備の管理をしてもらえます。
行政書士が短縮できる時間③:手続き(提出、追加、受取)を進める時間
申請書類の準備では、大量の資料を集める必要があります。申請書類には原本が求められる場合もあるため、申請人が海外にいる場合などで紙の書類を郵送するとなるとかなりの労力と時間を要します。
このような不便な点を解消するための方法として、「オンライン申請システム」を使った申請ができます。
オンライン申請であれば、書類の多くをデータでやり取りできるため郵送を減らせます。
ただしこのオンライン申請システムを利用するためには別途登録が必要であり、またある程度慣れていないと入力にも時間がかかってしまいます。
そこで、オンライン申請に対応している行政書士に依頼をすることでオンライン申請のメリットである効率的な書類のやり取りをしながら、申請人は書類の準備だけに集中することが可能です。
また、オンライン申請を行った場合、審査途中での追加資料提出指示や審査結果もオンラインシステム上で確認できます。郵送での通知の場合は通知書が届くまでに時間がかかるため、追加対応や許可後の動きもスムーズになります。加えて、在留資格認定証明書交付申請では、電子メールで送付された電子在留資格認定証明書(COE)を査証申請に利用できます。このように、行政書士へ依頼しオンライン申請を行っていた場合、入管からの連絡をすべて行政書士が一時対応したうえで申請人への対応を依頼してくれるため、必要な対応を迅速かつ的確に行うことができます。
まとめ|行政書士は「時間のロス」を減らす専門家
「行政書士に依頼すると早くなりますか?」
という質問に対する答えは、
「入管の審査期間そのものは変わりません。しかし、在留資格取得までの全体の期間は短縮できる可能性があります。」
です。
行政書士が短縮できるのは、
- 判断に迷う時間
- 必要書類を準備する時間
- 郵送や申請手続にかかる時間
といった、申請前後に発生するさまざまな時間です。
これらの時間のロスを一つひとつ減らすことで、結果として在留資格取得までの期間を短縮できる可能性があります。当事務所では、オンライン申請にも対応し、お客様一人ひとりの状況に合わせた申請スケジュールをご提案しています。
「少しでも早く在留資格を取得したい」「できるだけスムーズに手続きを進めたい」という方は、お気軽にご相談ください。

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