【日本人の子孫(日系人)向け】親や祖父母の戸籍謄本が取れない場合の在留資格(ビザ)申請準備と行政書士の活用

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「日本人の祖父がいるので、日本に住むためのビザ(在留資格)を申請したい。でも、戸籍謄本を持っていない」
「親や祖父母が日本人だったことは分かっているが、本籍地が分からない」
「以前、親や祖父母の戸籍を取得したことがあるが、この戸籍がビザ(在留資格)申請に使えるのか分からない」

海外に住む日本人の子孫(日系人)の方から、このようなご相談をいただくことがあります。
日本人の親や祖父母を持つ方が、日本人の子孫(日系人)であることを理由として日本の在留資格を申請する場合、親族関係を確認するための戸籍謄本等が重要な資料になります。
しかし、海外で長く生活している日系人の方にとって、日本の戸籍制度とその資料である戸籍謄本は身近なものではありません。祖父母がすでに亡くなっていたり、本籍地が分からなかったり、古い資料しか残っていなかったりすることもあります。

では、親や祖父母の戸籍謄本が取れない場合は、どうすればよいのでしょうか。
この記事では、在留資格(ビザ)申請に必要な戸籍謄本が取得できない場合をケースごとに紹介し、それぞれの場合の申請の進め方を解説します。

※在留資格申請において使用できる資料として「戸籍謄本」のほかに「除籍謄本」や「改製原戸籍謄本」なども含まれる場合がありますが、本記事では最も代表的な資料としての「戸籍謄本」を例として解説します。

この記事はこんな人におすすめ!

  • 日本人の祖父母や親がおり、在留資格(ビザ)の申請を行いたい日本人の子孫(日系人)の方
  • 日本人の祖父母や親の戸籍を取得したことがあるが、どうやって申請をしたら良いか分からない方
  • 海外で生活している日系人の親族が日本に移住する際の手続きをお手伝いする日本の親族の方

目次

そもそも”戸籍”とは?

日本における「戸籍」は、日本人の出生、婚姻、親子関係、死亡などの身分関係を公証するための制度です。
そして「戸籍謄本」は、その戸籍に記載されている事項をすべて証明する書類です。戸籍には、本籍、氏名、生年月日、父母との続柄、婚姻などに関する事項が記載されています。原則として、夫婦とその未婚の子を単位として戸籍が編製されます。

それぞれの記載事項についての説明は別の機会にまとめますが、ここで大切なのは、
「戸籍にはその人の親や子ども、親族の情報が登録され、証明されている」
ということです。
婚姻証明書では「夫婦関係」、出生証明書では「子どもと親の関係」を示すことができますが、日本における戸籍謄本の場合そのどちらも記載されます。そして戸籍をたどることで、ある人と自身との身分や血縁関係を公的に証明できます。このことから日本における公的な手続きに使われる制度であり、その証明として「戸籍謄本」も活用されます。

在留資格(ビザ)申請で戸籍謄本が必要になる場合

いくつかの在留資格申請においては、戸籍謄本が必要書類として求められることがあります。
それは、日本人の配偶者や親、祖父母との関係性に基づいて申請する在留資格の場合です。
具体的には、「日本人の配偶者等」、「定住者(日系二世、日系三世)が代表的な在留資格です。

戸籍謄本が求められる在留資格①:日本人の配偶者等

日本人と結婚し日本で生活をすることになった外国人の方が申請するのが「日本人の配偶者等」の在留資格です。この在留資格の申請では、原則として戸籍謄本が求められます。
理由は、「日本で法的に有効な婚姻関係が成立しているか」を証明する書類として戸籍謄本が使われるからです。
日本人の方が外国人の方と結婚し、日本側でその婚姻関係が登録されると、戸籍謄本に配偶者である外国人の方の国籍や氏名などの情報が記載されます。この記載があることで、日本においても法的に有効な婚姻関係が成立している、ということを証明できます。

日本人と結婚した方が在留資格申請のために戸籍謄本を必要とする場合、日本人の配偶者の方が戸籍謄本をご自身で取得できる場合がほとんどであり、戸籍謄本取得に際して問題が発生することは少ないでしょう。

戸籍謄本が求められる在留資格②:定住者(日本人の子孫:日系人)

日本人の親や祖父母を持つ方は、日本人の子孫(日系人)として「定住者」という在留資格の申請を検討できる場合があります。日系二世・三世として「定住者」を申請する場合には、まず日本人である親や祖父母との親族関係を公的な資料によって確認できることが重要です。
例えば、祖父母が日本人であることを戸籍等で確認し、さらに海外で発行された出生証明書や婚姻証明書などを組み合わせて、祖父母から申請人までの親族関係を確認していきます。

Info

日本人の子孫(日系人)の方が申請できる在留資格(ビザ):定住者

日本人の子孫(日系人)の方は日本人の祖父母・親という日本とのつながりによって在留資格申請を行えることがあります。この場合一般的に検討できるのは「定住者」という在留資格です。
ただし日本人の子孫(日系人)であれば誰でも申請できるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。日本人の子孫(日系人)として「定住者」の在留資格申請をする場合の詳細はこちらの記事で解説しています:日本にルーツがある場合の在留資格 ~定住者”日系二世・日系三世”~

日本人の親、祖父母の戸籍謄本を取得する方法

在留資格申請において戸籍謄本が必要なケースを紹介しましたが、では戸籍謄本はどうやったら取得できるのでしょうか。戸籍謄本を取得できる場所(請求先)と請求できる人の2点から解説します。

戸籍謄本を取得できる”場所”:本籍地が登録されている役所

戸籍謄本の請求先は、戸籍として登録されている場所である「本籍地」を管轄する役所です。
例えば香川県高松市に本籍地がある場合、高松市役所が請求先となります。
ただし広域交付という新たな制度により、直系の親族の戸籍については本籍地以外の役所でも請求できる場合があります。

戸籍謄本を取得できる”人”:原則本人、配偶者+直系の親族

戸籍に記載されている事項は個人情報に該当するため、本人以外の請求には制限がかけられています。
原則として、戸籍に記載されている本人、その配偶者、直系尊属(父母・祖父母など)、直系卑属(子・孫など)による請求に限られています。
また、本人から委任を受けた代理人が請求できる場合もあります。ただし、2024年3月から始まった戸籍証明書等の広域交付については、本人等が窓口に出向いて請求する必要があり、代理人による請求や郵送請求はできません。

日本人の親や祖父母の戸籍謄本を海外から取得するには?

戸籍謄本を請求できる条件である”場所”と”人”が分かったところで、実際に在留資格申請のために日本人の親や祖父母の戸籍謄本を海外から請求したい場合、具体的にはどうしたら良いのでしょうか。

本籍地の自治体に直接請求する

一部の自治体では、海外からの請求にも応じている場合があります。
この場合は国際郵便を使って請求します。
ただし、自治体によって必要な書類が異なったり、日本語以外での請求には対応していなかったり、そもそも海外からの請求には対応していなかったりするため個別に確認が必要です。

日本にいる親族・友人に依頼する

日本に親族や友人がいれば、本人からの委任状を作成することで代理請求を依頼できます。
本籍地から離れた場所に住んでいる場合も、郵送での請求に対応している自治体がほとんどです。
ただし、請求した親族や友人は戸籍謄本を確認できること、請求範囲を正しく伝えないと申請に使えない戸籍となる可能性があることに注意が必要です。

行政書士などの在留資格(ビザ)申請の専門家に依頼する

行政書士などの専門家は、在留資格(ビザ)申請の目的であれば戸籍謄本を代理請求できる場合があります。日本人の親や祖父母がいることから「定住者」の在留資格を申請する場合で、申請サポートを専門家に依頼すると、戸籍謄本の取得もサポート範囲に含めてくれる場合があります。
戸籍謄本の取得だけではなく提出書類全体のチェックや申請取次(提出)のサポートも依頼できるため、失敗したくない場合には活用できる方法です。

日本人の親、祖父母の戸籍謄本を取得できないときの対応方法

「日本人の親や祖父母の戸籍謄本を準備できない」というご相談を大きく分けると2つのケースがあります。
ここでは、それぞれのケースに応じた対応方法を解説します。

戸籍謄本を取得できないケース①:申請人が海外にいる

既に本籍地の情報や古い戸籍の資料をお持ちの方から寄せられる相談で最も多いのがこのケースです。
この場合は、先に解説したように日本にいる親族や友人に依頼したり、行政書士などの専門家へ依頼することで解決できる可能性があります。

戸籍謄本を取得できないケース②:親や祖父母の本籍地が分からない

戸籍を特定し戸籍謄本を取得するためには、本籍地などの情報が重要になります。親や祖父母が海外へ移住してから時間が経っている場合、日本にいた当時の本籍地などの情報が分からないことが多くあります。このようなときには、以下のような方法・資料から本籍地を探れる可能性があります。

本籍地をたどる鍵1:日本にいる親族(親や祖父母の兄弟姉妹、子どもなど)

日本に連絡の取れる親族がいる場合、親や祖父母の本籍情報を知っていたり、本籍が記載された資料を持っていたりする可能性があります。
また、兄弟姉妹や子どもであれば「もともと同じ戸籍に入っていた可能性がある」ため、その方々の戸籍情報から親や祖父母の本籍を知ることができる可能性もあります。

本籍地をたどる鍵2:親や祖父母が海外へ移住したときに持参した(使った)書類

親や祖父母が海外へ移住する際に日本から持参した書類や、手続きに使用した書類には本籍が記載されている可能性があります。例えば、
・パスポート
・婚姻証明書
・帰化申請書
などには本籍の情報が記載されていることがあります。
その情報を基に最新の戸籍謄本までさかのぼれる可能性は十分にあります。

行政書士等の専門家に依頼することで解決できる戸籍に関する課題

申請人が海外にいる場合などでもスムーズに戸籍謄本を取得できる

海外からの戸籍謄本などの発行依頼に対応している自治体を除き、日本のほとんどの自治体への戸籍請求は日本国内からの請求にしか対応していません。
また、多くの場合は日本語による依頼のみに対応しており、英語などの外国語での請求はできない場合がほとんどです。
日本にいる友人や知人に依頼すれば取得できることもありますが、委任状を作成したり、その方に役所とのやり取りをしてもらったりする必要があり、負担がかかります。


行政書士は、在留資格申請などで業務上必要な場合、「職務上請求」という仕組みにより戸籍謄本等を請求できる場合があります。そのため、日系人の在留資格申請を行政書士に依頼する場合、申請に必要となる戸籍の調査・取得についても、行政書士に相談できます。(職務上請求には法律上の要件があり、すべての戸籍を自由に取得できるわけではありません。)

取得している戸籍謄本が在留資格(ビザ)申請に使えるか確認できる

既に戸籍謄本を持っている場合でも、それが在留資格申請に使用できるかどうかは分かりません。
記載されている事項が申請時に証明しないといけない関係性についてのものかどうか、しっかりと確認しなければなりません。
戸籍謄本などは日本語で記載されている資料であり、また古い戸籍資料の場合は手書きの場合もあります。
日本語や漢字の表記に慣れていない場合は必要な情報が記載されているか、判断がつかないこともあります。
そのような場合にも、行政書士などの専門家に依頼することで確認してもらえます。

在留資格(ビザ)申請のタイミングから逆算した戸籍謄本の有効期限管理をしてもらえる

在留資格申請に使用できる戸籍謄本などの資料は、原則として発行から3か月以内のものです。
そのため、戸籍謄本の取得が早すぎる場合、申請前に再度取得しないといけないことがあります。
このようなトラブルを防ぐためには、申請全体のスケジュールを把握しておき、いつ戸籍謄本を取得するべきか、大体の時期を決めておくことです。
しかし、在留資格申請に必要な情報や書類は普段はあまり馴染みのないものが多く、予想以上に時間がかかることがあります。
この点についても行政書士などの専門家に依頼することで、全体スケジュールの見通しを提示し、さらに各資料の適切な作成・取得時期についても管理してもらえます。

戸籍調査と戸籍謄本に関するよくある質問(Q&A)

親(祖父母)の古い戸籍謄本が見つかりました。これは在留資格(ビザ)申請に使えますか?

在留資格申請に提出する戸籍謄本等については、原則として発行から3か月以内のものを準備する必要があり、古い戸籍謄本はそのままでは申請には使えない場合がほとんどです。

ただし古い戸籍謄本が無駄になるわけではありません。
古い戸籍には、親や祖父母の本籍地、氏名、親子関係など、新しい戸籍を取得するための重要な手掛かりが記載されていることがあります。
そのため、古い戸籍謄本をお持ちの場合は、まずその内容を確認し、その情報をもとに現在必要となる戸籍謄本や除籍謄本などを取得する、という進め方が考えられます。
「申請に使えない無駄な古い戸籍」ではなく、「新しい戸籍を取得するための資料」として考えられます。

親や祖父母の古い戸籍に記載されている本籍地を検索しても、現在の地図や住所検索で見つかりません。これは間違った情報なのでしょうか?

当時の情報としては記載されている地名が正しい情報であり、戸籍謄本に問題があるわけではありません。

古い戸籍謄本などの資料では、市町村合併などにより今は存在しない地名や、変更される前の地名が記載されていることがあります。記載されている本籍地の情報を基に、管轄する現在の自治体の役所へ戸籍謄本を請求します。

戸籍の調査や戸籍謄本の取得だけを依頼できますか?

戸籍調査や戸籍謄本取得のみのご依頼はお受けできません。

7JO行政書士オフィスでは、戸籍調査・取得のみを目的としたご依頼はお受けしておらず、在留資格申請を前提としたサポートとして対応しています。

祖父の戸籍謄本に外国人の祖母との結婚についての記載がありません。最新の情報ではないこの戸籍謄本でも在留資格(ビザ)申請はできますか?

在留資格申請に必要な情報が戸籍謄本に記載されていれば提出書類として使える場合があります。

海外へ移住された日本人の方の戸籍謄本には、移住後の情報が記載されていないことがあります。海外に移住した日本人については、海外で行った婚姻などの身分関係が、日本の戸籍にどのように届け出られているかによって、戸籍の記載内容が異なる場合があるためです。そのため、外国人配偶者との婚姻について戸籍に記載がないからといって、直ちにその戸籍が間違っているとは限りません。日系人の在留資格申請では、その戸籍だけで必要な親族関係を確認できるのかを含めて、他の出生証明書や婚姻証明書などと併せて確認することが重要です。

まとめ|戸籍謄本の取得方法を検討するポイント

本記事で解説してきたように、日本人の親や祖父母の戸籍調査、戸籍謄本取得は申請人自身でも行えます。
しかし、状況によっては日本にいる親族や行政書士のような専門家に依頼したほうがスムーズに解決することがあります。
本記事のまとめとして、戸籍謄本取得方法を検討する具体的なケースをご紹介します。

自分で戸籍謄本の取得を検討しやすいケース

  • 古い戸籍謄本などを持っている
  • 本籍地が分かっている
  • 日本国内で請求できる人がいる
  • 日本に行く予定があり、役所に相談できる

専門家への相談を検討した方がよいケース

  • 本籍地が分からない
  • 古い戸籍謄本が手元にあるが、最新のものを取得できない
  • 海外からの手続きが難しい
  • 在留資格申請までまとめて進めたい

7JO行政書士オフィスでは、在留資格申請に向けた戸籍情報の調査及び戸籍謄本の取得、そして在留資格申請までを一貫してサポートしています。
日本人の親や祖父母の戸籍情報が明らかではない、戸籍謄本の取得ができないといった理由で在留資格申請にお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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